卒業課題のレポートの未完了である章の数にもとづくアラートチケットの並び替えによる調査開始までの時間の短縮

Cloud and Distributed Systems Laboratory(以下,CDSL とする)で稼働するPrometheus は,監視対象から取得したメトリクスが監視ルールを満たすとアラートを作成する.Alertmanager が通知したアラートはRedmine にチケットとして作成され,担当者は調査を行う.課題は,作成日時が早いチケットから調査を開始すると,学生の「卒業課題II」の進捗が考慮されず,進捗が遅い学生が使用したサーバの調査が遅れる.提案では,学生の「卒業課題II」をサポートする大学院生が記録した,テクニカルレポートの未完了の章の数を学生ごとに集計する.その後,各学生が使用したサーバで検出されたアラートに対応するチケットを,テクニカルレポートの未完了である章の数が多い学生から順に並び替え,先頭のチケットを担当者に通知する.1 人の学生が使用したサーバで検出されたアラートに対応するチケットが複数ある場合は,作成日時が古い順に並べる.評価実験では,2025 年9 月1 日から12 月1 日までに作成された未着手のチケット26 件を対象に,提案適用後のチケットの順位と比較対象との順位相関係数を比較した.1 つ目の比較対象は,テクニカルレポートの初版が未提出の学生が使用したサーバで検出されたアラートに対応するチケット16 件を作成日時が早い順に並べ,その後に残りの10 件を作成日時が早い順に並べた順位である.2 つ目の比較対象は,CDSL の「Cadence」「論文輪講会」「勉強会」の欠席数の合計が多い学生から順に,その学生が使用したサーバで検出されたアラートに対応するチケットを,作成日時が早い順に並べた順位である.順位相関係数は,提案適用後の順位と1 つ目の比較対象から約0.85,提案適用後の順位と2 つ目の比較対象から約0.99 であった.提案によるチケットの並び替えは,テクニカルレポートの初版が未提出の学生が使用したサーバで検出されたアラートに対応するチケットよりも,欠席数が多い学生のサーバで検出されたアラートに対応するチケットを優先している.また提案適用前と適用後のチケット作成から調査開始までの時間を計測した.提案適用前の2025 年9 月1 日から12 月1 日に調査が開始されたチケット23 件の調査開始までの時間は最短で約1 分,最長で約4 日18 時間27 分であった.提案適用後の2025 年12 月11 日から12 月12 日に調査が開始されたチケット2 件は,テクニカルレポートの第2 版が未提出の学生が使用したサーバで検出されたアラートに対応するチケットであり,調査開始までの時間は約8 分と約38 分であった.チケット作成から調査開始までの最短の時間は,提案適用前で約1 分,適用後は約8 分であり,提案手法なしと比較して約7 分増加した.また最長の時間は,提案適用前で約4日18 時間27 分,適用後は約38 分であり,提案手法なしと比較して約4 日17 時間49 分減少した. ...