WebAssemblyにおけるメモリ使用量削減のための稼働実績に基づく再起動の閾値の決定

Web ブラウザ上で計算を高速に行うために登場したWebAssembly は,ブラウザ外でも利用され始めている.WebAssembly では,インスタンスの終了まで1 度拡張した最大量のメモリを確保し続けることが課題である.本研究では,インスタンスのメモリ使用量に閾値を設け,閾値を超えたインスタンスの再起動する.これによって,インスタンスによる実行環境のメモリ使用量を削減する.閾値は,インスタンスのメモリ使用量の分布が正規分布になると仮定のもと,再起動処理を行わない場合のインスタンスのメモリ使用量のデータを標本として区間推定を行い決定する.実験では,再起動処理を行わなかった場合と,提案手法を用いて再起動を行った場合とで,メモリ使用量の差分について比較した.計測は同一のインスタンスを50 個づつ6 分間動作させて実施した.実験対象は,不定期にメモリ使用量が増加し,最大で約8000[KiB] まで増加するインスタンスを用いた.実験の結果,平均メモリ使用量は,計測のみ実施した場合は6541[KiB] であり,提案手法を適用した場合は6115[KiB] であった.したがって,提案手法の適用により,監視のみの場合と比較して6.52%メモリ使用量の削減がされた. ...