メトリクス名と入力した文字列が一致した候補の表示によるPrometheusのアラートの設定に要する時間の削減
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- ラベル: CDSL-TR-233
- 公開日: Jan. 24, 2025
- 更新日: Jan. 24, 2025
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物理マシンでは,データストア容量が不足し,新たに仮想マシンを作成できないことがある.管理者はアラートにより,アラートがないときと比べて,早期にデータストア容量の不足を知ることができる.そのため,仮想マシンを作成できなくなる前に未然に防ぐことができる.アラートを生成するソフトウェアとしてPrometheus がある.Prometheus では,管理者がYAML 形式の設定ファイルにアラートの設定を行うことで,通知が行われる.課題は,アラートの式設定を行う際,複数のメトリクス名の変数を組み合わせることがあるため,設定ファイルに入力する文字数が多くなり,設定に時間を要することである.基礎実験では,4 人の学生を対象に,VMware 社のElastic Sky X Integrated のデータストア使用率が80.0%を超えたときにアラートを出す式設定を行った.データストア使用率のアラートの式設定は,vmware datastore capacity size とdatastore freespace size の2 種類のメトリクス名が組み合わされたものである.基礎実験でアラートの式設定に要する4 人の平均時間は,約245 秒であった.提案では,アラートの式設定を行う際に,メトリクス名の候補を表示し,その候補の中から選択したメトリクス名を出力することで,入力する文字数を削減する手法を提案する.監視サーバのメトリクス名を全て取得し,Prometheus のメトリクス名と管理者が入力している文字列が前方一致していたら候補を表示する.評価実験では,4 人の学生を対象に,データストア使用率が80.0%を超えたときにアラートを出す式設定に要する時間を測定した.評価実験では,提案適用前の4 人の平均時間約245 秒に対し,適用後は約137 秒で,約44.1%の時間を削減することができた. ...