温室における複数環境パラメータを配慮した省電力な温度の制御手法

既存の温室制御システムは, ユーザとのインタフェースを備える一方で, ユーザの介入, 高消費電力と制御対象(温度) 外の環境パラメータ(湿度, 二酸化炭素濃度) に影響を与える問題がある. 本研究の目的は, IoT(Internet of Things) デバイス側で環境パラメータと制御機器の多対多の関係をもとに制御のタイミングを決め, ユーザからの操作を要らず, 自動的に低消費電力な制御システムを設計することである. また, 通信側はIoT 向けのBLE を使用することによって, 通信回数を削減することで消費電力を削減する.さらに, 制御の方は一般的なエアコンで温度制御と違い, 窓の開け閉めを利用することにより制御機器の消費電力を減らす. 実験では, 小型のケースを使用して温室環境をシミュレートし, 温室内外の環境を監視するために, 温室の内外で2 つのIoT デバイスを同時に設置した. 温室内のIoT デバイスは内部環境に応じて温室外のデバイスに通知する. 温室外のデバイスは窓を開閉する用のサーボモータが備えている. 評価は, 本研究による二時間の温室内の温度曲線と温室外の温度曲線を比べ, 制御回数と制御時間をもとに既存の加熱設備の消費電力量を比較する. 結果は, 同じ温度変化区間における加熱マットによる消費電力量は8.8Wh, 提案手法による消費電力量は9.6 ∗10−3Wh である. ...