ページビューの増加をもちいた記事数の限定によるリストアのテスト時間の短縮

システム運用において, システムデータは重要であり必要不可欠な要素である. データを損失した際に, システムを回復できるようにバックアップは行われる. 課題は, バックアップデータに含まれるWordPress の記事や固定ページのコンテンツを全てテストすることは, コンテンツを限定してテストを行った際と比べて実行時間がかかることである. 提案方式で, VM 上に構築したアプリケーションを復元した際に, テストの対象を絞り込むことで確認時間の短縮を行うことを目的としている. 本稿では, バックアップデータが作成し終えたことをバックアップ完了のログの追加から判定し, Web ページの閲覧数の差分をバックアップデータに含まれているデータベースのDump ファイルの比較から取得した. Web ページの閲覧数の差分の値が1 件以上ある記事を取得し, パレートの法則から閲覧数が1 件以上増加した記事の上位20%をテスト対象として含めることとした. 評価方法は, テスト項目を適用させる対象を絞り込むことで,提案方式を使用する前と後で, どれだけの時間が削減できたかを調査する. 課題を証明する基礎実験として, CDSL のブログサイトを対象に, 公開されている固定ページと投稿の記事の内容すべてを確認する自動化したプログラムを2 回実行して, 実行時間をPython のtime モジュールを利用して, 計測を行った. 実験結果として, プログラム2 回実行の時間はそれぞれ約56 秒と約62 秒であった. このことから, テスト範囲の対象を広げると時間がかかることがわかった. ...