期限付バックアップ中のディスク読み取り量の再計算によるユーザのファイル転送時間の短縮

課題は,ファイルサーバによるバックアップサーバへのファイルのバックアップ中にユーザがファイルサーバへファイルを転送すると,ファイルサーバがバックアップ中でない場合と比較してユーザのファイル転送時間が増加することである.提案では,バックアップの可用帯域幅に上限を設けバックアップ期限にバックアップが終了するよう定期的に再計算することで,ユーザが使用できる帯域幅を増加させ,ユーザのファイル転送時間を短縮する.可用帯域幅は,転送すべきバックアップのファイルサイズから,期限を超過しないバックアップの転送速度を予測することで定める.基礎実験では,ファイルサーバによる100GB のファイルのバックアップ中にユーザA,B がそれぞれ100GB,50GB のファイルを転送した場合のユーザA のファイル転送時間は26 分21 秒,ユーザA のみがファイルを転送した場合のファイル転送時間は15 分36 秒であった.したがって,課題の発生により,ユーザA のファイル転送時間は約40.8%増加した.評価では,提案方式の適用の有無で,ユーザA のファイル転送時間を比較する. ...