Sock Shopのサービス絞り込みとPod数とリクエスト数のピアソン相関係数に基づくグラフ表示変更による利便性向上

EC サイトのデモアプリケーションであるSock Shop のCPU 量を対象にグラフ作成を行った場合,サービスにまとめることで14 個のグラフが作成される.グラフ利用者はグラフ同士を比較し分析する必要がある.課題はSock Shop から作成されたグラフを選択する際の組み合わせ数である.既存グラフツールの場合,表示順がアルファベット順なため,エラーに関与するサービスが表示順に考慮されない.提案手法はリクエストの処理に関与するサービスとリクエストを紐付ける.負荷試験にてエラーが発生したリクエストと紐付けられたサービスに絞り込む.絞り込まれたサービス内のPod 数と秒間リクエスト数のピアソン相関係数を優先度としてその値が降順になるようにグラフの表示順を変更する.実験はLocust を用いてSock Shop のサイトへ負荷試験を実施し,負荷試験におけるサービスごとのCPU 使用量のグラフを作成した.評価はリクエストの処理に関与するサービスに絞り込みを行った場合と提案ソフトウェアによる絞り込みによるグラフの組み合わせ数の削減率を求める.表示順の評価はエラーが発生したリクエストと関係のあるサービスの優先度が上位になるか検証した.提案前は11 個のグラフが表示され,その中から2 個を選択する組み合わせ数は55 通りの組み合わせ数である.PSSP 使用時は3 個のグラフが表示され,その中から2 個を選択する組み合わせは3 通りである.この結果からPSSP の使用によって,選択数の削減率が94.5%となった.PSSP によって「orders」,「carts」,「users」の順にグラフが表示された.エラーが発生した商品決済である「orders」と応答時間が増加したカート操作である「carts」の順位となり.エラーや応答時間の増加が発生していない,ユーザ情報の処理に関与する「users」の優先度が3 位になった. ...