プロジェクトの納期と進捗にもとづく優先ユーザの決定によるファイル送信時間の増加の抑制

映像制作会社の社員は,ファイルの共有やバックアップのためにファイルサーバへファイルを送信する.映像制作会社には,複数の社員が居るため各社員はいつファイルを送信するかが分からない.その際に,複数の社員のファイル送信が重なるケースがある.課題は,複数の社員のファイル送信が重なることによる各社員のファイル送信時間の増加である.本稿の提案手法では,プロジェクトの納期から作業日を引くことで残り日数を算出する.その後,残り日数と作業日数を用いた計算を行うことで現時点での理想のプロジェクトの進捗度を算出する.終了したタスク数と全タスク数の割り算で算出する現時点でのプロジェクトの進捗と算出された理想のプロジェクト進捗度の差を求めることで優先度を決定する.それをもとに,優先度が低いファイルの送信を中断することで優先度が高いファイルの送信時間の増加を抑制する.課題を立証する実験結果として,14GB の動画ファイルにおいて1 人でファイルを送信した際が121秒,課題のケースでは195 秒となり,ファイル送信時間が約61%増加した. ...