マイクロサービスにおけるメトリクスによるサービスの優先順位および計算リソースの共助モデル

クラウドアプリケーションにおけるマイクロサービスでの導入時にはサービスの優先度をユーザーが構築ファイルに記述する必要があった. そのため, ノードのCPU が枯渇した際, ノードを新たに追加することでスケールしていた.本稿ではマイクロサービスの優先順位を計算し, 優先順位が高いサービスを低いサービスが共助することで処理に必要とされるCPU をクラスター内から再利用する.前段階として,マイクロサービスの相互通信のログやノードにおけるCPU 使用率を取得する. 取得した指標を提案する計算式に代入することでマイクロサービスが複数ある環境で優先度の順位付けを行う. このモデルでは異なるコンテナでの優先度の比較を行い, 優先度が高いマイクロサービスの処理を低いコンテナが共助する. 評価方法は, マイクロサービスが15 個稼働している環境にウェブサイトを用意した.リクエストの急増時,ここでは恒常時のリクエスト回数の5倍のトラフィックを処理した際のレスポンスタイムを既存のスケール手法を比較した.また,上記の優先順位付けによるノード追加頻度を評価した.リクエストの急増時のレスポンスタイムは既存スケールから最大58%減少した. ...