自律航法に基づくGPS通信回数の低減によるIoTデバイスの省電力な測位の実測結果

近年,身体や衣類に装着できるウェアラブルデバイスや,動物やロボットに取り付ける小型のIoTデバイスが注目を集めている.これらのデバイスに取り付けられたGPS を利用して,歩行ルートの記録をや,動物やロボットの追跡から得られた実測値の分析に用いられる.しかし,GPS による長期的な通信はIoT デバイスのバッテリー消費が高くなるという課題がある.この課題を解決するために,デバイス上の加速度センサと地磁気センサからのデータを利用して位置測位を行う自律航法を用いて,位置情報の精度を維持しながらGPS の受信回数を減らし消費電力を削減する.GPS を接続するタイミングは,加速度センサによりユーザーの移動が検知できない場合とする.また,GPS のみの測位を行った場合と提案の手法を比較し,バッテリーの消費電力と位置の精度を比較する.その結果GPS のみのバッテリーの消費電力に対し,提案手法は約83 %の消費電力を削減できた.また,位置の精度は実際の位置から平均約26.5メートルの誤差であった. ...