自律航法に基づくGPS通信回数の低減によるIoTデバイスの省電力な測位の実測結果
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- ラベル: CDSL-TR-069
- 公開日: Nov. 30, 2021
- 更新日: Nov. 30, 2021
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一般的に複数のIoT デバイスに対してデータ送信を行う場合,PC とIoT デバイスを直接接続するシリアル通信やTCP,UDP を用いた無線通信を介して行う.本稿では,複数台のIoT デバイスへのファームウェアの送信とロスしたパケットの再送信にUDP を用いる.再送信にはマルチキャストを用いるが,送信時間の減少に反し,重複して同じパケットを受信するクライアントが増加する.課題は,送信時間を最大限に軽減すると,パケットの重複の増加することである.パケット毎にUDP ユニキャストとマルチキャストを動的に切り替え,送信時間と重複率のバランスを調整する必要がある.提案として,UDP ユニキャストとマルチキャストをどの程度で切り替えるかを示す基準値の設定方法を提案する.基準値を設定するために「共通度」とUDP ユニキャストとマルチキャストの遅延を用いる.共通度は,あるパケットが何台のクライアントで共通して失われているかを表している.実験として,サーバから5 台のESP32 に対してファームウェアに見立てた750KB のテキストファイルを送る.各受信デバイスごとの受信状況を収集し,共通度を算出した.150 回の実験の結果,共通度0,1,2,3,4,5 の割合の最大値は,それぞれ77.6%,74.1%, 66.9%, 50.3%, 18.3%,0.4%となった.最小値は,0.1%, 0.4%, 1.7%, 0%, 0%,0%であった.共通度0,1,2,3,4,5 のパケット数の最頻値は,それぞれ25 個, 320 個, 225 個, 25 個, 25 個となった. ...