RFIDによる出入口の通過の検出と加速度と地磁気を用いた屋内測位のマッピング補正

美術館で見たい展示物を来場者が見つけやすくするために,屋内測位によるナビゲーションが必要である.歩行時に加速度センサから得られるデータをもとに歩数を推定し,地磁気センサから得られる値で移動方向を算出する.課題は,センサに誤差が含まれているため移動距離と角度を算出した際に誤差が蓄積されてしまうことである.本提案は,RFID 技術とマッピングを組み合わせることで補正を行う.美術館の展示室の出入口に設置されたRFID リーダーを利用することで,センサデータの補正を行う.さらに,マップ上にルートを事前に設定し,ユーザーはそのルートの上を行動する.マップ上に定義されたルートから外れたことを検知した際には,最も近いルート上の位置に補正を行う.マップ上にマス目を作り,指定された座標内を全て同じルート内の座標として補正を行う.実験は,9[m] × 5[m] の部屋の中で美術館で行動することを想定した動きで行った.同じ実験環境を5 回実施した結果,センサから取得された補正前の座標の誤差は平均2.68[m] であり,本提案を用いた補正後の平均が0.46[m] である. ...