Kubernetesにおける異なるディストリビューションへのリソースの複製によるエラーの原因の分類

Kubernetes は複数のディストリビューションを持つコンテナオーケストレーションフレームワークである.RKE2 に対してWordPress をデプロイするとエラーが発生する.これはPersistent Volume を使用しており,StorageClass が存在しないためエラーになる.エラーが発生した場合,どのKubernetesリソースがエラーの原因か絞り込む必要がある.課題は,クラスタにKubernetes リソースをデプロイし,Pod にエラーが発生した際に,リソース同士の依存関係を知らない場合,クラスタに存在するどのKubernetes リソースに問題があるのか絞り込めないことである.提案では,複数のディストリビューションにKubernetes リソースを複製し,起動したディストリビューションと起動しなかったディストリビューションで作成されている全Kubernetes リソースが存在するか存在しないか比べることで,原因となるKubernetes リソースを分類する手法を提案する.評価実験では,4 種類のディストリビューションにアプリケーションをデプロイし,提案ソフトウェアを使用することによって何種類のKubernetes リソースに分類できるか実験した.対象はWordPress とNGINX Ingress Controller とし,クラスタはK3s,k0s,MicroK8s,RKE2 を使用した.WordPress を対象とした実験では,103 種類のKubernetes リソースから原因となるKubernetes リソースを含む6 種類を原因として分類した.これによってエラーの原因となるリソースを特定しやすくなった. ...