送信データ量の大きさに基づくIoTデバイスのBLEとWi-Fiの切り替えによる省電力化

農場で農作物の生育状況を取得するためにIoT デバイスが稼働している.IoT デバイスには電源に接続されているものとバッテリーで稼働しているものが存在する.バッテリーで稼働しているデバイスは,バッテリーが枯渇するとセンシングデータが取得できない.本稿では,IoT デバイスを省電力化するために送信するデータ量を基準値に基づいてBLE とWi-Fi を切り替える手法を提案する.基準値は,基礎実験より約232[kB] とした.基礎実験では, 処理を行っていない場合の消費電力及びBLE とWi-Fi の消費電力と通信速度を測定した.その結果,BLE でデータを送信する方がWi-Fi でデータを送信するよりも消費電力が少なくなることが分かった.評価実験では,提案手法を用いる場合と,Wi-Fi のみで通信する場合と,BLE のみで通信する場合の3 つの方法でデータの送信を行った.その結果,消費電力はWi-Fi のみで通信する場合1 秒当たり約381[mW],BLE のみで通信する場合は1 秒当たり約320[mW],提案手法を用いる場合は1 秒当たり約324[mW] であった.よって,提案手法の1 秒当たりの平均消費電力は,Wi-Fiと比べて約57[mW] 少なく,BLE より約4[mW] 多かった. ...