マイクロサービスで動作するアプリケーション応答時間増加の原因の特定

マイクロサービスアーキテクチャを用いてEC サイトのアプリケーションを運用する事例がある.その際,アプリケーション内の1つのマイクロサービスの応答時間が増加することがあり,他のマイクロサービスの応答時間も増加するという課題が存在する.本稿の提案手法はアプリケーション内の接続を把握し,負荷試験から各マイクロサービスの応答時間,CPU・メモリ使用率のメトリクスを取得することでアプリケーションの応答時間増加の原因となるマイクロサービスを特定する.対象のアプリケーションであるSock Shop と提案手法の機能を持つソフトウェアをK3s クラスタにデプロイして実験を行う.基礎実験では,cart に対して商品を入れて消す動作を行うHTTP リクエストを1 回,2 回,5 回,10 回,15 回にわけて送信した.その際のorder の応答時間は通常のHTTP リクエストを送信したときと比べ15 回の際には,1395ms 増加した. ...