サーバのログイン時間とユーザの歩数を使用した作業時間の予測による物理マシンの停止と消費電力の削減

東京工科大学コンピュータサイエンス学部のCloud and Distributed Systems Laboratory には,物理マシンが10 台ある.そのうち,CDSL に所属している学生が使用できる物理マシンは7 台あり,それらは学生が常に仮想マシンで作業を行えるよう24 時間稼働している.課題は,ユーザが物理マシン内の仮想マシン上のOS へSSH 接続していない時間帯にも物理マシンが起動しており,電力を消費していることである.提案では,ユーザの歩数データと物理マシン内の仮想マシン上のOS へのSSH 接続の接続時間のデータをもちいて,ユーザがアクセスする可能性を示す値とユーザがアクセスしない可能性を示す値を設定し,2 つの値を比較することで物理マシンが使用されない時間の予測を行い,物理マシンの停止スケジュールを作成し,物理マシンの停止,起動を行うことで消費電力を削減する手法を提案する.評価実験は提案したアルゴリズムをもちいて作成した物理マシンの停止スケジュールの正解率について3 つの項目を評価する.3 つの項目とは,物理マシンが使用されていない時間に停止可能な時間,削減可能な電力量,停止と予測した時間にユーザが作業した時間である.評価は作成した停止スケジュールとユーザからのアクセスを比較し,スケジュールの正解率を計算することで行った.その結果,物理マシンが未使用の時間に物理マシンを最大で約65.66%, 最小で約49.19%停止できた.停止すると予測した時間のうち,約0.90%の時間には仮想マシンが使用されていた.電力では各物理マシンの平均で電力消費の約56.21%の電力の削減をすることができた. ...