ファイル更新回数とアクセス頻度にもとづくディレクトリ圧縮の優先度付けによるストレージ使用量の削減

課題は, ファイルサーバに格納されている使用頻度の低いディレクトリのバックアップにより, バックアップサーバのストレージをが圧迫されることである. 本稿の提案では, ファイルサーバに格納されているディレクトリの使用頻度を数値として監視し, それをもとに使用頻度の昇順に, ストレージ使用量がストレージ総容量の70%に収まるまでディレクトリを圧縮する. 評価方法として, 使用頻度を数値の比較, ディレクトリの使用頻度を昇順に並べた際の全ディレクトリの50%に当たる個数分のバックアップディレクトリを圧縮する前後のサイズを比較する. 実験で使用するディレクトリの個数, ディレクトリに格納されているファイルの内容は東京工科大学コンピュータサイエンス学部コンピュータサイエンス学科先進情報専攻(以下, 本大学と呼ぶ.) の学生が本大学の授業で使用しているものを参考にした. 本大学はセメスター制であるため, 2021 年から2023 年までの前期, 後期分の計6 個のディレクトリを使用した. また, ファイルは本大学の授業で使用していたパワーポイントファイルを使用した. 使用頻度の数値を比較する実験の結果として平均使用頻度は, アクセス, 更新回数共に低頻度なディレクトリでは10.0[回/日], アクセスは高頻度だが更新が低頻度なディレクトリでは20.0[回/日], アクセス, 更新共に高頻度なディレクトリでは30.0[回/日] となった. ディレクトリの使用頻度を昇順に並べた際の全ディレクトリの50%に当たる個数分, バックアップディレクトリを圧縮する前後のサイズを比較する実験の結果として, ディレクトリのサイズは圧縮前のディレクトリのサイズは307.8MB, 圧縮後のディレクトリのサイズは284.5MB と約7.6%減少した. ...