LiDARの測定データ間の差分を圧縮することによる送信時のファイルサイズの削減
- 著者:
- ラベル: CDSL-TR-211
- 公開日: Nov. 28, 2024
- 更新日: Nov. 28, 2024
- ダウンロード数: 0
人手不足と労働生産性向上のために,自律走行搬送ロボットの導入が進んでいる.ロボットは複雑で動的な環境に適応し,回避するシステムが必要である.この問題に対し,ロボットはLiDAR と呼ばれるセンサーを搭載している.LiDAR センサーは,角度と距離を測定したデータ(測定データ)を出力する.本稿で用いるLiDAR センサーは1[s] あたり約178[KB] の測定データを出力する.このデータ量を送信するには時間を要するため,データ量の削減が課題として挙げられる.本稿では,LiDAR センサーで取得した測定データ間の差分を用いた可逆圧縮手法を提案する.処理を行う測定データと直前の測定データを比較し,角度の差分と距離の差分を出力する.角度の差分と距離の差分でそれぞれ異なるルールにもとづいてバイナリに変換する.評価は東京工科大学の研究棟A910,研究棟A4 階ラウンジ,研究棟A9 階廊下でLiDAR データを収集し,提案手法で圧縮を行い圧縮率を評価する.研究棟A910 では,移動中に取得したデータは平均で約11.16[MB] から約798.78[KB] へ圧縮され,圧縮率は約6.98[%],移動せずに取得したデータは約11.43[MB] から約813.80[KB] へ圧縮され,圧縮率は約6.95[%] となった.研究棟A4 階ラウンジでは移動中のデータが約21.55[MB] から約1.52[MB] へ圧縮され,圧縮率は約7.07[%],移動せずに取得したデータは約22.83[MB] から約1.61[MB] へ圧縮され,圧縮率は約7.06[%] となった.研究棟A9 階廊下では,移動中のデータが約13.21[MB] から約912.61[KB] へ圧縮され,圧縮率は約6.74[%],移動せずに取得したデータは約12.92[MB] から約886.85[KB] へ圧縮され,圧縮率は約6.70[%] となった. ...