VMの使用時間にもとづく作業時間の予測と物理マシンの停止による省電力化

東京工科大学のコンピュータサイエンス学部の研究室であるCloud and Distributed SystemsLaboratory で運用されている7 台の物理マシンは,所属学生が自由にVM を作成し,いつでも作業できるよう24 時間稼働している.物理マシンはサービスの運用を継続するため常に稼働しつづけ,その電力消費は絶えず発生する.課題は物理マシン内の仮想マシンが使用されていなくても物理マシンが稼働し続け,余剰な電力消費が発生していることである.提案では,曜日ごとに作業を行っているユーザ数を集計し,作業人数とその前後の作業人数から,1 分ごとにユーザが作業を行う可能性を示すRisk 値を設定し,物理マシンの未使用時間を予測する.これをもちいてPM の起動と停止を行う時間を決定する.作成した物理マシンの起動停止スケジュールに従い物理マシンの電源停止を行うことで電力消費を削減する.評価実験では,物理マシンが使用されていない時間に停止した時間,削減した電力量,停止した時間にユーザが作業した時間の3 点で評価する.実際に提案を適用し物理マシンの起動と停止を行い,提案適用前と比較し2024 年11 月11 日から2024 年11 月15 日の平日の消費電力を評価する.削減電力量では,提案適用前と比較し提案適用後の方が一週間の総消費電力量を約53.70%削減した.評価期間中の各PM におけるPM未使用時間中の停止時間割合では,平均で未使用時間中の約51.08%の時間を停止した.停止時間4086 分中にユーザが作業を行った時間は約67 分で約1.65%となった. ...