マルチホップネットワークでノードの類似度を用いたクラスターヘッド選択アルゴリズム

広範囲なエリアで行われる環境モニタリングでは,複数のIoT デバイスを経由してサーバーまでセンシングデータを送信する,マルチホップネットワークが用いられる.マルチホップネットワークで使用されるIoT デバイスはバッテリー駆動であり,搭載されるバッテリーは小型なものである.したがって,小型のバッテリーでデバイスを長時間動作させるにはノードの省電力化が課題となる.本稿ではMVEDプロトコルを提案する.MVED プロトコルは消費電力量をノード間で分散し,平滑化することで孤立ノードの発生を遅らせることを目的としている.実験では,バッテリー容量が1,000[mAh] である5 台のノードを用いて既存手法のLEACH プロトコルとMVED プロトコルでの消費電力量を測定した.5 台のノードの稼働時間を測定し,LEACH プロトコルの標準偏差が約5,326[sec] であったのに対し,MVED プロトコルでは約2,024[sec] と,約62[%] の改善が見られた. ...