マルチホップネットワークにおけるリンクごとの送受信の同期によるIoTデバイスの省電力化

マルチホップネットワークではIoT デバイスによってサーバまでのホップ数が異なる.課題はホップ数の違いにより中継するIoT デバイスがネットワーク機能を停止できないことから消費電力を削減できないことである.提案はセンサデータを送信するタイミングをリンクごとにサーバで算出するスケジューリング手法である.IoT デバイスのサーバまでのホップ数,プログラム実行時間,通信時間の3 つの値を使い,1 ホップあたりにかかる時間から送信タイミングをサーバで算出する.送信タイミングはプログラム実行時間と通信時間を末端のIoT デバイスからのホップ数の分,足し合わせた時間とする.提案方式により送受信のタイミングを一致させてネットワーク機能の停止が可能な時間を増やす.実験として,ネットワーク機能を通信終了時に随時停止して5 秒間のDeep Sleep を入れる場合と,Deep Sleep を入れない場合のESP32 の消費電力を1 分間計測した.実験の結果,前者の消費電力は2.65[mWh] であり,後者の消費電力は3.62[mWh] であった.ネットワーク機能を停止することによって消費電力を約27%削減できることがわかった. ...