ログのPriorityを用いたシステム障害発生時における非圧縮による検索時間の短縮

ログはweb サイトやシステムが正常に稼働しなくなったときに,原因を特定する目的で使用される. そのため出来る限り残しておく必要があり,圧縮して保存することにより容量の削減が出来る.しかし圧縮して保存すると,圧縮せずに保存しているログに比べて検索時間が長くなる.課題はログを圧縮または非圧縮で保存する際の基準をどのように決定するかである.システム障害の発生原因に関するログのみを非圧縮で保存することにより,検索時間の短縮と容量の確保が可能である.本稿では,ログの重要度の指標であるPriority のWarning 以上のログを非圧縮にして保存する.検索対象は非圧縮ファイルのみであるため,検索の応答時間をすべて圧縮するよりも短縮できる.基礎実験ではPriority が記載されているログを出力を確認した.Locust による負荷試験によってSock Shop からログを出力させた.結果,stdout,stderr を含めたログが29,469 件出力され,そのうちstdout で発生したPriority がINFO のログが90 件出力された.この結果よりPriority のみの範囲設定ではなく,別のログレベルやステータスコードも組み込んだ非圧縮の基準に設定し直す必要がある. ...