LiDARデータの角度の差分と距離の差分によるデータ量の削減

飲食業界では,人手不足と労働生産性向上のために,自律走行搬送ロボットの活用が進んでいる.このようなロボットは常に変化する店のレイアウトや予測できない人間の動き,障害物に対応するためにLiDAR を利用している.LiDAR はリアルタイムで周囲の環境を点群データとして生成することができる.基礎実験より,LiDAR は1[s] に約178[KB] の測定データを出力する.このデータ量を送信するには時間がかかるため,データ量の削減が課題として挙げられる.本稿では,LiDAR によって測定された角度の差分と距離の差分を用いた可逆圧縮手法を提案する.LiDAR データを取得して整形を行い,処理を行うデータと1 つ前のデータの,角度の差分と距離の差分を出力する.出力した,値は固定長ビットでバイナリにエンコードされ送信される.基礎実験では,LiDAR を使用して30[s] 計測したデータと60[s] 計測したデータのサイズを確認し,サーバーに送信しきるまでの時間を計測した.基礎実験の結果,30[s] 計測したデータでは約5.1[MB] のサイズが出力され送信には約440[ms] かかった.60[s] 計測したデータでは約11[MB] 出力され,送信には約960[ms] かかった.評価実験ではLiDAR が移動した際のデータや周りの環境が変動するデータを圧縮し圧縮率や送信完了するまでの時間を評価する. ...