DHCPサーバによる学生名の識別におけるARPリクエストにもとづく同時刻に接続された端末の所有者の特定

出席管理を手動で行うことは人為的ミスの発生につながる.ネットワーク接続を利用することで学生がいつ出席したかを判断することは可能であるが,誰が出席したかを特定することはできない.そのため,この手法による出席管理の自動化を実現するには,誰がどの端末を所有しているかを特定する必要がある.これに対し,DHCP サーバとDDNS サーバをもちいて授業開始時刻までにIP アドレスが割り当てられた端末のMAC アドレスと,授業に出席した学生から端末の所有者の特定を行う方法がある.課題は,この時全て同じ授業を履修している学生の端末の特定が行えないことである.本稿では,SNS を利用した定期報告のメッセージを受信した時及びUbuntu Server へログインした時に,ネットワーク上で使用中の端末が持つMAC アドレスと学生の端末の候補リストを照合し,一致するMAC アドレスが一意であったときに,学生を端末の所有者として特定する方法を提案する.評価実験では,実際に学生が所有する端末のMAC アドレスと,提案により所有者を特定した端末のMAC アドレスの照合を3 週間の期間で行い,正解率,未特定率,誤特定率を求めた.学生が所有する端末の総数は54 個あり,提案で特定したMAC アドレスを持つ端末は39 個で,正解数は29 個であった.したがって,特定した端末のMAC アドレスの正解率は約53.7%,未特定率は約27.8%,誤特定率は約18.5%であった.また,1 週間単位でプライベートネットワークに1 度も接続していない端末を除外した場合,学生が所有する端末の総数は44 個,提案で特定したMAC アドレスを持つ端末は34 個,正解数は29 個となり,正解率は約65.9%,未特定率は約22.7%,誤特定率は約11.4%であった. ...