middle-sock: Linux namespace へのパケット宛先変換による DHCP サーバコンテナの移植性の向上

コンテナを用いた仮想化は, 従来の仮想化と比べ移植性が高い特徴をもつ. しかし, DHCP サーバコンテナではコンテナの移植性の特徴を活かせず, 必要な手順が増加する課題が存在する. 本研究では,ネットワーク分離とパケット宛先変換に行うソフトウェアmiddle-sock を提案する. middle-sock は, Linuxカーネルに搭載されているnamespace 機能を使用してDHCP サーバコンテナ内でネットワークを分離,そのネットワーク内でホスト環境を再現しDHCP サーバを起動させる. 同時に, DHCP サーバコンテナに送信されたDHCP パケットの宛先を変換し作成したnamespace に送信することによって, 増加する手順を減らす. 実験および評価では50 回の起動実験を繰り返し, 平均起動時間を評価した. コンフィグを手動で書き換える既存手法では約18.8 ms に対し, 提案手法では約43.5 ms であった. 提案手法では, DHCPサーバの起動に加え, middle-sock の起動を含むため既存手法より起動時間は遅くなる. ...