バッテリー残量と接続可能ノード数をもとにしたクラスターヘッドの決定によるノード稼働時間の均一化

農場では温度や湿度の情報を取得するためにIoT デバイスが利用されている.IoT デバイスは電源に接続されて稼働しているデバイスとバッテリーに接続されて稼働しているデバイスが存在する.マルチホップネットワークではIoT デバイスがデータの中継を行う.データの中継を行うデバイスはデータの中継を行わないデバイスと比較してバッテリーの消費量が多い.課題は,中継を行うデバイスのバッテリーが枯渇すると中継を必要とするデバイスが孤立する点である.本稿では,バッテリー残量と接続可能ノード数をもとにクラスターヘッドを決定する手法を提案する.評価実験では提案方式とLEACH のノードの稼働時間を測定した.提案方式でwb を0.8,wb を0.2 に設定することで,最も稼働時間が短いノードの稼働時間は6585[s],最も稼働時間が長いノードの稼働時間は7235[s] となり,その差は650[s] となった.各ノードの稼働時間の平均は6902[s] であった.一方,LEACH は最も稼働時間が短いノードの稼働時間は6275[s],最も稼働時間が長いノードの稼働時間は7290[s] となり,その差は1015[s] となった.各ノードの稼働時間の平均は,6842[s] であった.よって,提案方式はLEACH と比較して各ノードの平均稼働時間がこれにより,提案手法を使用することで,LEACH と比較して,平均稼働時間が約1[%] 延長した.提案方式の最も稼働時間が長いノードと最も稼働時間が短いノードの稼働時間の差は,LEACH の約64[%] になった. ...