リストアにおける進行状況にもとづくバックアップのCPU使用量の制限による時間の増加の抑制

システムを運用するにあたって,データの損失や破損が発生した場合,システムの復旧を可能にするためにバックアップが行われる.また,バックアップからデータやシステムを復元するためにリストアが不可欠である.課題は,バックアップを行っている最中にリストアを行った際,バックアップを行っていないリストア単体の時間と比較してリストア時間が増加することである.提案手法では,ユーザはファイル転送に要する時間の38 %を損失するとフラストレーションを感じることから,リストア単体で行った時間を基準値とし,基準値の38 %増加した時間を許容時間として設定する.許容時間内にリストアを完了させるためにバックアップにおけるCPU 使用量を仮想マシンのリストア時間によって制限する量を変更し,リストアを優先するソフトウェアを提案する.基礎実験では,研究室にある物理マシンを対象にリストア単体で行った時間が平均163 秒であるのに対し,バックアップとリストアを同時に行った時間は平均790 秒に増加した.この増加率は約385 %となった.評価実験では,提案手法がバックアップを行っている最中にリストアを行った時間の増加を短縮するかどうかを確認する. ...